循環器内科後期研修プログラム
当科では県内全体の循環器疾患の救命・救急医療を担っています。卒後後期研修の充実のためにプライマリ・ケアもできるように循環器症例を積極的に受け入れています。また、虚血性心疾患、動脈硬化性心血管病、心不全の先端医療の開発などを中心に研究活動を行い、成果は学会発表、論文発表で積極的に発信しています。
循環器内科後期研修プログラムの概要
入局後の3年間は大学または関連病院において後期研修を行い、一般内科および循環器内科医としての基本的な知識と技術を身につけ、総合内科専門医を取得します。新・総合内科プログラム研修(3年間)を選択、総合内科専門医を取得するコースもあります。
その後、循環器学会による循環器専門医研修カリキュラムの達成目標に従い、医員または大学院生として大学で1~4年間専門研修を行い、循環器専門医取得を目指します。
循環器専門医取得後、さらに以下のキャリア形成コースがあります。
1)循環器内科サブスペシャリティー取得コース
サブスペシャリティとして、冠動脈インターベンション、不整脈(カテーテルアブレーションやデバイス治療)、心エコー、心不全などの特定領域を専門とし、地域の基幹病院に必要とされる存在となります。急性冠症候群など緊急性の高い疾患では、救急部門と連携して治療にあたります。専門性の高い領域の関連学会の専門医や指導医を目指し希望により国内留学などの集中的なトレーニングも可能です。
2)大学院循環器疾患研究コース
大学で医学研究とその指導を行い、循環器疾患の原因を探り、新しい治療に役立てる研究を行う循環器内科医を目指します。心血管疾患の動物モデルを用いた基礎研究、臨床データを解析する臨床研究が展開しつつあり、国内外での学会発表や論文発表を行っていきます。さらに博士論文終了後に希望者には海外留学することも奨励しています。
研修に関する基本事項
- 循環器専門研修は日本循環器学会循環器専門医研修カリキュラム(2013年改定)に準拠します。卒後5年目に総合内科専門医、日本循環器学会入会6年目に循環器専門医取得を目指します。
- 山梨大学循環器内科と関連病院を中心に臨床研修を行い、学術活動の第一歩として症例報告を推奨しています。
- 臨床または基礎医学研究の方法論や実践に関しての見識を深め、希望者は大学院に入学して研究を行います。
研修目標
- 循環器専門医研修カリキュラムの達成目標に従って検査法や治療法を実施し、病態および各疾患を経験します。
- 病棟・ICUで主治医を担当し種々の循環器疾患の病態やニーズに応じ対処します。
- 外来診療で多彩な病態やニーズに対処し、慢性疾患の管理経験を積みます。
- 経験症例の学会発表を行い、臨床研究に従事し、原著論文の作成を目指します。学術活動を通じて専門医としての自己学習の姿勢を身につけます。
研修スケジュールと目標症例数
- 後期研修(1年)
大学または関連病院で、総合内科専門医取得を目指して循環器内科を中心に研修する。 - 専門研修基礎(2年)
関連教育施設を中心に循環器救急医療へ参加し、必要技術を習得する。
指導医とともに紹介患者(新患)への対応を経験する。
目標症例数: 運動負荷100件、ホルター心電図200件、心臓超音波検査500件、心臓核医学検査75件、
冠動脈造影200件・両心カテ50件、冠動脈インターベンションの助手30例、IABPの管理、ペースメーカ植込み30例、
一次ペーシング10例 - 専門研修(3年)
循環器専門医の取得を目指し、キャリア形成コースを選択して研修する。
目標症例数: 心臓超音波検査500件、経食道心エコー50件、心臓核医学検査75例、冠動脈造影200例、
冠動脈インターベンション75例、ペースメーカ植込み40例、電気生理学検査40件
循環器専門医受験資格
- 認定内科専門医または総合内科専門医であること
- 日本循環器学会会員であり、かつ通算して6年以上の会員歴を有すること
- 満6年またはそれ以上の臨床研修歴を有すること。6年のうち3年以上は日本循環器学会指定の研修施設で研修していること
- AHA ACLSプロバイダーコースを受講し有効な認定を受けていること