構造的心疾患・虚血性心疾患・末梢動脈疾患チーム(通称 虚血チーム)
通称「虚血チーム」は、小林、吉崎、堀越を中心に構造的心疾患(Structural Heart Disease; SHD)、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症といった末梢動脈疾患への内科治療(薬物治療やリハビリテーション)とカテーテル治療を担っています。不整脈チーム・心不全チームと密にコミュニケーションをとり、個々の患者さんに合わせた治療法を提供しています。
構造的心疾患(Structural Heart Disease; SHD)
心臓弁膜症、心筋症、肺血栓塞栓症、先天性心疾患など、心臓の構造異常による病気を構造的心疾患といいます。かつてSHDは外科的な開胸手術のみが治療法でしたが、疾患によってカテーテルを用いた低侵襲な治療方法が開発され進歩が続いている領域です。当院では循環器内科、心臓血管外科、麻酔科、脳神経外科、神経内科、看護師、放射線技師、臨床工学技士からなるハートチームで、SHDへの最適な治療を提供しています。当院では下記のSHDへのカテーテル治療を行っています。
- 僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的僧帽弁クリップ術(TEER)
- 大動脈弁狭窄症に対する経皮的大動脈弁留置術(TAVI)
- 肥大型閉塞性心筋症に対する経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)
- 僧帽弁狭窄症に対する経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)
- 経皮的左心耳閉鎖術(Watchman)
- 卵円孔を介した奇異性脳塞栓に対する経皮的卵円孔開存閉鎖術
- 慢性血栓塞栓性肺高血圧に対するバルーン肺動脈形成術(BPA)
2024年4月現在山梨県内では、SHDへのカテーテル治療を山梨大学医学部附属病院でのみ実施しています。(一部、他のチームが中心となっているものも含む)
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
当院では急性冠症候群(急性心筋梗塞・不安定狭心症)を積極的に受け入れ、24時間体制で緊急カテーテル検査・治療を行っています。心原性ショックなどの重症例も多く、大動脈内バルーンパンピング(IABP)・経皮的心肺補助(ECMO)・補助循環用ポンプカテーテル(Impella)等、最新の機械的循環補助(mechanical circulatory support; MCS)を用いて診療を行っています。慢性冠動脈疾患(安定狭心症)に対しては、負荷心電図検査・負荷心筋シンチグラム・冠血流予備量比(FFR)・FFR-CT等、様々な検査方法で治療適応を厳密に判断しています。近隣の施設から、治療困難症例(石灰化病変・慢性完全閉塞病変)も多数受け入れており、ロータブレーター・ダイアモンドバック・血管内リソトリプシー・エキシマレーザーなどの先端機器を用いた治療も可能です。ハートチームとして心臓血管外科とも密に連携をとっており、カテーテル治療が困難な複雑病変であってもエビデンスに基づいた最適な治療を提供可能です。
下肢閉塞性動脈硬化症
心血管病の中でも、心筋梗塞や脳梗塞と比べてまだ一般的な認知度は高くありません。その有病率は高齢化や生活スタイルの変化などから近年増加傾向にあると言われています。さらに年齢とともに有病率が増加することも知られています。
最重症の包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)はその半数が無症状の状態から突然発症することが知られ、気づかぬうちに病魔が忍び寄ってくる疾患群です。
これら下肢閉塞性動脈硬化症の治療には内服治療を始め、カテーテル治療・外科的バイパス術、吸着型血液浄化器など様々な治療選択肢があります。当院では薬剤溶出性ステントからエキシマレーザーカテーテル、クロッサーデバイス、血管内視鏡など最新のカテーテル用治療デバイスを駆使しながら、県内の下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療を牽引しています。
さらに、皮膚科、整形外科、腎臓内科、糖尿病内科など院内他科や地域開業医との綿密な連携で集学的に治療に取り組んでいることも特徴です。最近は峡中のみならず、峡北・峡南・峡東、富士河口湖方面から県内全体の患者を受け入れています。
山梨大学循環器内科虚血チームは、山梨大学医学部附属病院だけではなく、各病院の医師と連携し、地域住民の皆さんに最適な医療を提供してまいります。
CAG | PCI | EVT | TAVI | MitraClip | PTSMA | PTMC | |
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2020年 | 395 | 153 | 25 | 38 | 0 | 0 | 1 |
2021年 | 435 | 176 | 31 | 38 | 0 | 0 | 0 |
2022年 | 478 | 194 | 47 | 66 | 3 | 1 | 0 |
2023年 | 598 | 206 | 46 | 76 | 9 | 1 | 0 |