心不全チーム(中村和人、植松学、出山順太郎、渡邉陽介、相沢聖子)
虚血・SHDチーム、不整脈チームと連携して、それぞれの専門を生かし、集学的な治療にあたっています。
重症心不全
あらゆる重症心疾患、重症心不全に対応しています。患者の基礎の心疾患、基礎の病態に合わせて、各チームや心臓外科と連携をして集学的かつ最善の治療を心がけています。IABP、Impella、ECMOの機械的循環補助が速やかに確立できる体制です。心臓移植や補助人工心臓が必要な症例は、東京大学医学部附属病院とも連携をして、診療しています。植込み型補助人工心臓の管理施設の取得を目指しています。
心筋症
あらゆる心筋症の診断および治療を行っています。診断に必要な医療機器・設備が備わっています。遺伝子検査もカウンセリングも含めて、当院で対応可能です。心筋生検を年間約50件行っています。山梨県唯一のアミロイドーシス処方資格施設です。年間20例程度の心アミロイドーシスの新規症例を診療しています。複数の全国規模のレジストリーに参加しており、厚生労働省心筋症研究班にも協力しています。
肺高血圧症
肺高血圧診療にも力を入れています。肺高血圧はⅠからⅤ群に分かれておりますが、正確な診断に心がけ、すべての肺高血圧疾患に対応可能です。また2023年9月より、慢性血栓塞栓性肺高血圧患者に対するバルーン肺動脈拡張術を始めました。年間30セッション前後の治療を見込んでいます。
心臓リハビリテーション
2021年より心肺運動負荷(CPX)を導入し、心臓リハビリテーションが始まりました。2023年より外来の心臓リハビリテーションも開始しています。慢性心不全、急性心筋梗塞後、肺高血圧、心臓手術後、大血管疾患術後、末梢動脈疾患等の適応のある患者さんを対象に行っています。特に急性心筋梗塞、心不全で入院した患者さんに対しては、全例できるだけ早期のリハビリテーションの開始を心がけ、入院関連機能障害を防ぎ、健康寿命の延伸を心がけています。
心エコー図
SHD診療に支障がないように心エコーにも力を入れています。通常のエコー以外に運動や薬剤の負荷心エコー、コントラストエコーも年々、件数が増えています。SHD診療、カテーテル焼灼術等の不整脈診療、脳卒中医との連携のため、経食道心エコーも150件/年以上となっています。またストレインや3Dエコー等の最先端のエコー検査も行っています。
多職種チーム診療
週1回、全入院患者の多職種カンファレンスを行い、包括的アプローチに努めています。心不全療養指導士の育成に力を入れており、現在、看護師4名、薬剤師2名、理学療法士に1名の心不全療養指導士がおり、今後、栄養士、MSWでも心不全療養指導士の資格取得の予定があります。
地域医療連携
診療所、一般病院、基幹病院と常に連携をとれる体制を取っています。紹介患者は、当日でも極力対応するように心がけています。また原則、必要な加療が終了すれば、逆紹介をしております。今後、山梨大学医学部附属病院を中心として、心不全手帳、連携パスや共通紹介状等を作成し、山梨県で共通したより効率的な地域医療連携の体制の構築を目指しています。